新学術領域「複合適応形質進化の遺伝子基盤解明」

第6回オープンセミナー

新学術領域「複合適応形質進化の遺伝子基盤解明」では、領域外の方にも公開されたオープンセミナーを 開催しています。第6回は、最近Nature Geneticsにカメゲノムの論文を出版された入江直樹先生と 数理モデルとパターンから多様性の問題に取り組まれている宮澤清太先生の講演を頂きます。 質疑の時間を多め(15分間)にとる予定ですので、活発な議論をしていただければ幸いです。

開催日時:
2013年6月1日 14:00~16:00
会場:
富山大学黒田講堂 1階 会議室(http://www.u-toyama.ac.jp/access/gofuku/ の23番の建物です。 正門から入って、すぐ右手にあります。 富山駅前から、「大学前行き」の市内電車(路面電車)に乗り、 終点「大学前」駅でおりて、そのまま3分ほど真っすぐ歩くと左手に正門があります。)

プログラム

14:00~14:05
趣旨説明
14:05 ~ 14:50
入江直樹 (理化学研究所発生・再生科学総合研究センター)
カメも従う発生進化の法則性
休憩
15:00 ~ 15:45
宮澤清太 (大阪大学大学院生命機能研究科)
「やわらか模様」のつくりかた
閉会

要旨

カメも従う発生進化の法則性
入江直樹 (理化学研究所発生・再生科学総合研究センター)

甲羅に手足をひっこめるカメ。実は脱げないカメの甲羅、背骨と肋骨から出来ていて 手足をひっこめた際には、なんと肋骨の内側に腕を入れていることになるのです。 こんな奇抜な形態的進化を遂げたカメ、どこからどうやって進化したのでしょうか。 脊椎動物の発生と進化の基本法則と照らし合わせながら、最新の知見をご紹介します。

「やわらか模様」のつくりかた
宮澤清太 (大阪大学大学院生命機能研究科)

動物の体表にはさまざまな模様が見られます。多彩なパターンは我々の眼を楽しませてくれますが、 動物たちにとっては交配相手や種の識別に大きな影響を及ぼす重要な形質の一つでもあります。 生物多様性の象徴とも言えるこれらの模様パターンは、どのようなメカニズムでつくられるのでしょうか? また、模様パターンとそれを生み出すメカニズムはどのように進化してきたのでしょうか? 簡単な数理モデルを出発点として、「やわらかい」模様パターンのつくりかたを考えてみたいと思います。